一命
三池崇史監督の「十三人の刺客」に続く名作時代劇のリメイクものです。
カンヌ国際映画祭にも正式出品されました。
オリジナル版は、1962年公開された「切腹」
天下泰平となった江戸時代初頭、生活に困窮した浪人たちが、
大名家を訪れて施しをうける゛狂言切腹゛なるものが流行ってました。
病に倒れた妻と我が子を救うため、名門、井伊家を訪れた、ある若い浪人。
彼が、侍のメンツにしがみつく武家社会の中で、一命をかけて、守ったものとは・・・
三池監督、今回もやってくれました!
オリジナルを忠実にリメイクされたそうですが、ストーリーは、まさに現代を
写し出したものだと思いました。
大多数の原理によって作られたルールは便利で、それに従っていれば
感情もなくなってしまいます。
いわゆる面倒な例外を認めなくなっちゃう。
いつの時代も、不条理はあるんだなって思う。
エリート職についている(名家の武士たち)と、失業している(浪人たち)とでは
同じ武士なのに、生活も大きく違います。
それは、劇中、出てくる二匹の白い猫の末路と同じ。
一匹は、病気で痩せほそって死んでしまい、もう一匹は優雅にぬくぬくと
暮らしています。
こういう描写が上手いんですよね。
映画の序盤に、切腹シーンがあり、それがやたらと長く、酷いので
女子にはキツイかも・・・
ワタシも直視出来なくて、横向いてました。
でも、ストーリーが進むにつれ、真相が明らかになるので、面白くなります。
作品自体は80点以上なんですが、ワタシが娯楽ものが好きなんで
78点をつけました。
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