原作者、歌川たいじさんが、自分の壮絶な生い立ちを綴った小説を
御法川修監督が、実写映画化。
子供の時から大好きな母親から拒絶され続けた主人公は、17歳で家を出て
1人で生きてゆく・・・
監督の舞台挨拶があった、上映初日に鑑賞。
実は、好きな俳優さんの大賀さんが、主演だったけど、虐待映画なのかな?が、引っ掛かり
迷っていた作品なのです。
でも、監督からのメッセージを読んで、監督の作品を観たいし、監督にも会いたいと思いました。
「これまで様々な映画に心を揺さぶられてきましたが、僕の人生に、一番影響を与えてくれたのは
“映画館”という空間そのものでした」
ワタシも“映画”よりも“映画館という空間”だったんだ・・・と。
だから、DVD鑑賞じゃなくて、映画館で観ることに、こだわっているんだ・・・と。
メッセージは、もっと長いものでしたが、心臓ドキュンでした。
昔、「映画館で、映画を見ながら、そのまま死ねたらいいのに」と冗談まじりに
言ってましたが、今もそれは変わりません。
大変迷惑で、到底無理なお話ですが(笑)
映画館の暗闇は、マジックです。
時々、自分にマジックをかけながら、人生を続けてゆくんだろうと思う。
さてさて、映画は、暗くもなく、ドロドロ感もなく、カラッとしてます。
それよりも、母親が実子にここまで出来ちゃう?と怒りの方を感じました。
でも、タイジは、それでもお母さんが大好きで、もう健気というか、どこまで良い子なんだ!
主人公の母親に対する愛情が、深くて、清らかで、凄いとしか言えない。
大人になったタイジは、友人を得て、その触れ合いの中で、やっと幸せを感じてくれる。
人は、いろんな形の愛で、再生してゆくんだと、改めて思います。
大賀さんは、重たいストーリーを背負っていたのに、絶妙なバランスで、ユーモアを持って
演じられていました。
だから、圧迫感がなくて、観やすかったんだと思う。
御法川監督、これからも映画館の暗闇へのご招待をお待ちしてます。
メッセージ、ありがとうございました! (80点)