「ジェイソン・ボーン」シリーズの最終章、
完結編です。
ボーンの最期を見届けたいと思う反面、
もう、このシリーズともお別れなんだわと、
チョット複雑な気分でした。
CIAの暗殺者養成プロジェクトが生んだ最高傑作だったボーンが記憶をなくした時から始まった「自分さがしの旅」
今までのヒーローと違って、ハイテクを駆使しないし、ただ自分を殺そうとする者を倒してゆくだけ・・・
別に正義感が強いわけでもなくて、世界の為に・・・なんていうキレイ事なんて存在しない。
ただ旅を続けるうちに、愛する人を見つけ、その人を守ろうとするだけ・・・
でも彼に共感してしまう。
「自分は誰?」という真実を探し求める孤独な姿に惹かれてしまう。
自分に対して、不安定な人は多いと思うのだ。
目障りになったら、抹殺してしまう。
役に立たなくなったら、それで終わり。
人間を戦闘ロボット化して、思い通りにする組織。
闇の中で葬られるはずだった主人公が、組織の思い通りにならずに、スゴイ身体能力を使って、相手をバッタ、バッタと倒していくのは快感!
彼は正義の為には戦わないから、社会的なモラルの重圧からも精神を開放してくれる。
ただ、殺されそうになるから殺す。本能的なヒーローだと思う。
ジェイソン・ボーンを演じる時のマッド・デイモンは、なんでこんなにカッコイイんだろう?
他の作品では、猿顔にしか見えない事が多いのにね〜
とにかく、ボーンシリーズのマッドは最高です!
言葉少なく寡黙で、ふと見せる表情の変化にクラッとなりそうになります(笑)
2002年の「ボーン・アイデンティティ」で、アクションをする彼を初めて見た時、
こんなに、身体能力が高かったんだ〜とスゴクオドロキました。
2004年の「ボーン・スプレマシー」では、それ以上のアクションだったし、
今回も劣ろえてなかったです。
あっ肝心の映画の感想は、まだでしたね。
見る前から期待大だと思うんですけど・・・
期待通りだと思いますヨ!面白かったです!
今回も世界の都市を飛び回るので、風景もめまぐるしく変わるし、CGなんて使わないオールロケですから、臨場感に溢れてました。
アクションも途切れないで、スピード感もあります。
すごいなぁ〜と思ったのは、スピードがある格闘シーンでも、人の動きがよくわかった事。
殴り合いのシーンでも、どんな体制でやってるのかが、よくわかるんですよね。
イマイチだったのは、音響くらいです。
追いかけられるシーンとかの音が、やたら大きいし、音楽で盛り上げすぎかな〜と思いました。
もっと、押さえてくれた方が、よかったと思う。
監督は、2作目と同じポール・グリーングラス。
ジャーナリスト出身の監督さんです。
前作は、話題となった「ユナイテッド93」です。
面白さは、「ボーン・スプレマシー」の方が、正直言って、上だったけど、
今回は完結する為のストーリーだから、これは、これで十分すぎる位の作品です。
謎が多い程、引っ張られますから・・・
完結編を飾る最後のワンショットは、見た方でしたら、誰もが、彼女のように、ニンマリすると思う。
ワタシも「上手いなぁ〜」と、ニンマリしてしまった(笑)
そして「あっやられた!」と、思っちゃいました。
ボーンには、非業の死なんて似合わない。
世界の何処で、しぶとく生きているハズ。
彼は、本能のヒーローだもの・・・