カンヌで、大絶賛され、アカデミー賞でも、外国映画としては、異例の6部門にノミネートされた
作品です。
プロデューサーは、アルファンソ・キュアロン監督でした。
監督と脚本は、ギレルモ・デル・トロ、メキシコ出身の方です。
残虐なファシストとレジスタンスとの内戦が続くスペインの暗黒時代が舞台。
1人の少女が、辛い現実と空想迷宮(ラビリンス)を、さまよう大人のおとぎ話です。
おとぎ話・・・ファンタジー・・・そうには違いないけど・・・
こんなに辛く、残酷なファンタジーは、初めてでした。
そして、主人公オフェリアが、母を慕い、愛を求める気持ちだけが
黄金色に輝いていたように感じます。
現実世界で起こる残虐な行為の数々には、まともに見れないシーンとかもありました。
拷問するシーンで、ペンチやらノコギリやらが映っただけで逃げ出したくなっちゃいました。
現実の大人の世界も、ドラマ性があり、こちらだけでも成立しそうなくらい、しっかりしたもの
でした。
だからこそ、無垢な魂を持った少女が迷宮世界に逃げていった事に、違和感を感じなかった。
少女は、そうするしか生きる希望がなかったと思えます。
現実世界と対になっているものが、少女が見た空想世界であり、少女はそうやってバランスをとるしか、生きる術がなかったと・・・
ラストは、少女の妄想なのか?
観客の希望を叶えてくれたのか?
わからなかったけど、少しだけ救われました。
でも、でも、それでも悲しくて、やり切れない気持ちからは、逃れられなかった。
とても完成度の高い作品だと思います。
こんなファンタジーを作れるなんて凄い!
でも、人に勧めるには遠慮してしまう。
だって、見た人は、みんな辛くなると思うから・・・
辛くて辛くて、悲しいファンタジーです。
ワタシも、もう1度見るには、エネルギーが必要です。
見た後は、生気を吸い取られたように、まっすぐ家に帰ってしまいました。
多分、忘れられない作品の1つとして記憶に残るだろうと思う。
ワタシが魅力されてしまった事には、間違いないです。