2017年10月23日
あゝ、荒野 前篇/後篇
原作は、1960年代を舞台にした、寺山修司唯一の長編小説です。
少年院帰りの新次と、吃音症の“バリカン”こと健二の運命の出会いや
激動の時代背景が描かれてます。
映画の舞台は、東京オリンピックが終わった2021年の新宿、
街中では、爆弾テロが日常的に起こってます。
時代設定や時代背景は変えてますが、“心の荒野”を見つめた「あゝ、荒野」でした。
本作は、9月に、上京して、PFF(ぴあフィルムフェスティバル)のオープニングイベントで
前篇後篇を、一気に見て来ました。
大分では、見れないかもと思って、上京したのですが、シネマ5でやってくれるなんて・・・
大分は映画人にとっては、ありがたい街です。
恵まれていると、しみじみ感じます。
21日(土)からは、前篇のみですが、28日(土)からは、前篇後篇を、一気に見れます。
役者さんたちの熱量に、圧倒されました!5時間は、あっという間でしたね。
とにかく、菅田さん、ヤンさんが素晴らしかった!の一言!
正直、菅田さん見たさに上京したのですが、スクリーンの中には、新次しかいませんでした。
登場人物それぞれの“心の荒野”が描かれていて、胸が締め付けられそうになります。
後篇は、ボクシングシーンが、中心になります。
生身の闘いは、本能にダイレクトに響いてきます。
ラストシーンは、どうなのかな?新次は、これから先、どうなるのか?
語彙の乏しい自分には、語るのは難しくて・・・
ただ、スクリーンの中の人々の、魂の叫びを、本能で感じてほしい。(85点)
2017年10月22日
ELLE エル

アカデミーの主演女優賞にノミネートされた、イザベル・コペール主演のフランス映画。
ある日、自宅で覆面の男にレイプされたミッシェル。
警察を信用していない彼女は、自ら犯人探しを始める・・・
エロチックなサスペンス映画でした。
面白いです!
ただ、レイプシーンや、お色気シーンもあるので、PG12が付いてます。
でも、主演のイザベルが、細身で肉感的ではなく、綺麗なマダムだったので
ギラギラ感は薄かったです。
主人公ミッシェルは、襲われても、泣き寝入りなんてしない鉄の心の持ち主だったから
見てて、頼もしくもあり、怖さも感じました。
お嫁さんも性格が激しかったし、やっぱ、フランス女性は強いですね。
同じサスペンスものでも、単純なハリウッドものとは違います。(78点)
2017年10月19日
アウトレイジ 最終章
北野武監督の「アウトレイジ」シリーズ、完結編。
山王会の傘下だった、元大友組の組長、大友は、全ての因縁に決着をつけます。
山王会と花菱会の抗争から5年。
主人公、大友は、日本を逃れ、韓国の済州島にいた・・・
前2作を見ている流れから、最期を見届けに行ってきました。
やっぱ、「アウトレイジ」は、面白い!
観客は、男性中心でしたが、コレは女子でも、大丈夫です。
だって、グロさがないの。ほとんどが、ドンパチで、死んじゃうから。
ビートたけしさん演じる大友の暴走ぶりも、ここまで吹っ切れちゃってると
妙にスカッとしてきました。
ヤクザ同士の抗争図も、シンプルで分かり易かったです。
大友は、恩義を大事にする昔堅気のヤクザで、その生き様に、男の美学すら感じます。
やっぱ、凄いな、北野監督! (80点)
2017年10月17日
猿の惑星:聖戦記グレート・ウォー

「猿の惑星」新シリーズ3部作の完結編になります。
「創世記」「新世紀」に続き「聖戦記」では、地球の支配者が変わるまでの
ドラマが描かれます。
見終わった後、感動で目頭が熱くなり、泣きそうになりました。
主人公のシーザーは猿だけど、アカデミーの主演男優賞をあげたいくらい!
それは、技術の進歩と、シーザーを演じた、アンディ・サーキスが素晴らしいからだけど。
人間よりも、猿ばかりが出てくるけど、深いドラマが描かれます。
チラシに写っている少女は、重要なキーパーソンでした。
前2作も見てますが、この完結編が、1番!
こんなにも感情を動かれるとは・・・シーザー凄い!
家族を愛し、仲間を守ったシーザー、誇り高いシーザー、
あぁ~また泣けてきそう・・・ (88点)
2017年10月17日
恋と嘘

人気コミックから生まれたアナザーストーリーを実写映画化した作品。
少子化が進んだ未来の日本では、政府が、遺伝子レベルでのマッチングシステムによって
結婚相手を通知していた・・・
主人公、葵は、政府が選んだ最良の相手か、傍にいる最高の幼馴染か、
心が揺れ動くのだが・・・
公開日、初日のお昼の回だったのに、10名くらいかな?
こんなガラガラ状態で、大丈夫かぁ~と、思いました。
そして、見終わってから、思ったのは、ちょっとキビシイかも・・・
正直に言うと、ヒロインの魅力不足だと思う。
森川さんは、この作品のヒロインのキャラクターには合ってないように思う。
そして、走るシーンがザンネン過ぎて、もっと綺麗なフォームでお願いしたい。
でも、男性陣の北村匠海さんと、佐藤寛太さんは、キャラがハマってて、ヨカッタです!
とりあえず、ストーリーは、女子高校生向けです。
大人女子の方々は、北村さんと佐藤さんを、堪能するしかない・・・(68点)
2017年10月14日
ボブという名の猫 幸せのハイタッチ
イギリス、ロンドンの路上で、歌を歌って、その日暮らしをしていた青年、ジェームズ。
そんな彼が出会った、茶トラの野良猫ボブ。
猫を助けたつもりだったジェームズの方が、猫に助けられてゆく・・・
本作は「ボブという名のストリート・キャット」という小説の実写化になります。
劇中の、茶トラ猫は、なんと!ボブ本人が出演していました。
堂々たる演技?で、素晴らしかったです!
さすが!猫の恩返しまでやっちゃうニャンコは違うね。
主役じゃないけど、ボブ様に、クギ付けでした(笑)
猫好きには、たまんない作品です。
主人公は、ボブがいたから、麻薬を断つことが出来ました。
守りたい大切な存在がいれば、人は変われます。 (78点)
2017年10月11日
サーミの血
昨年の東京国際映画祭にて、審査員特別賞と、最優秀女優賞に輝いた作品。
その時は、原題の「サーミ・ブラッド」でした。
サーミ人は、北欧のラップランド地方で、トナカイと暮らす先住民族。
本作の女性監督、アマンダ自身も、サーミの血を引いているそうです。
物語の舞台となった1930年代、サーミ人は、劣等民族として差別を受け、
スウェーデン人から、同化政策を受けました。
北欧のイメージと言えば・・・福祉国家、ム―ミン、サンタクロース・・・
そんな北欧でも差別の黒歴史があったなんて・・・衝撃でした!
この映画を見て、初めて知ったという方が、ほとんどだと思います。
主人公、エレは、差別を受ける中で、故郷や家族までも捨てて、スウェーデン人として
自由に生きたいと願うようになります・・・
素晴らしい作品でした!
見る者を、一気に引き込む静かなパワーを持ってます。
初めての長編作品を撮った監督さんとは思えないほどです。
幻想的で美しいラップランド地方の風景は、物語を深いものにしてくれてました。
主演のレーネは、本物のサーミ人で、役者経験はありません。
今も、トナカイを飼育して、暮らしてます。
スクリーンに写る彼女は、とてつもなく大きな存在感を放ってました。
まさか、最優秀賞を取るとは思わなくて、ビックリしたけど、納得の受賞でした。(80点)
2017年10月10日
ナラタージュ
「この恋愛小説がすごい!」第1位に輝いた同名小説の実写映画化。
高校時代の恩師との禁断の恋を描いた作品。
上映時間は、140分あります。
途中退席された男性の方がいました。
多分、抑揚のない演出が、続いたからだと思うのですが、全ては、終盤での
電車のシーンのためだったんじゃないかと・・・
ラストのシーンも、光が見えて、余韻の残るものになってます。
でも、松本さん、有村さんのファンじゃないと、長いトンネルを乗り越えるのは難しいかも。
ワタシでさえも、時間が長いと感じましたもん。
とりあえず、トンネルを抜けた先には、朝日が待っています。
ワタシは嵐ファンじゃないけど、今回の松本さんの役柄って、どうなんでしょう?
彼じゃないと、この役は・・・みたいなものは感じなかったです。
ボソボソ喋って、いつも眠たそうな目で・・・
「コレはいい!」ではなく「可も不可もなし」でしたね。
好きになっちゃいけない人だけど、どうしようもなく会いたい!そばにいたい!
有村さんは、この感情を、よく表現されていました。
この感情に共感出来るか、どうかで、この映画の評価が分かれると思う。
それにしても、坂口さんは片想いの役柄、多くないですか?
なんで?気の毒になっちゃう。 (73点)
2017年10月10日
僕のワンダフル・ライフ
監督は、リチャード・ギア主演の忠犬ハチ公、ハリウッド版を作った、ラッセ・ハルストレム。
スウェーデン出身の監督さんです。
大好きな飼い主のイーサンに会いたい一心で、何度も生まれ変わった犬、ベイリー。
ついに、3度目の生まれ変わりで、イーサンを見つけます。
犬好き、動物好きには、たまらない作品。
犬は、飼い主に忠実だから、この映画のようなお話は、本当にあるかもしれませんね。
犬の一生は人間よりも、とても短い。
だから、共に人生を終えることは、出来ません。
この映画のストーリーは、愛犬家たちの夢を描いているのだと思いました。
ラストでは、皆が、幸せな気分になることでしょう。
まさに、犬と人間のラブストーリーでした。 (78点)
2017年10月08日
亜人
命をリセットし続けて、絶対に死なない新人類、<亜人>を描いた桜井画門の
人気コミックの実写映画化。
アクションシーンが、凄かったです!
アクションを担当してたのは、「るろうに剣心」チームだったそう。
亜人同士が戦うから、エンドレス。死なないから、終わりません。
だから、頭脳作戦が、面白かった。
ラストなんて、そういう手があったんだぁ~と。
テロリスト役の綾野さんのムキムキの上半身は、CGかと思うくらい仕上がってました。
佐藤さんもラストシーンで、見れちゃいますが、こちらもムキムキ。
ワンシーンに懸ける役者魂って、凄いなって思います。
期待を裏切らないアクション大作でした。 (78点)
2017年10月08日
ハイドリヒを撃て!
1942年、チェコ・プラハで起きたハイドリヒ暗殺事件を描いた作品。
ナチス・ナンバー3と言われたハイドリヒを暗殺する計画は、イギリス政府と
チェコスロバキア亡命政府によって計画され、7人の軍人が、チェコに送り込まれます。
サスペンス映画を見ているようなドキドキ感と緊張感がありました。
史実だから、結末は分かっていたけど、ラストまで見入ってしまいます。
正直、ナチスものは辛いので、好んで見に行かないという方にも、
コレは、映画として面白かったので、オススメします。
実は、ワタシも、その1人で、キリアン・マーフィが好きという理由で行きました。
そしたら・・・コレ面白いなぁ~と。見てヨカッタ。
それに、イケメン2人が主演ですから、女子の楽しみもありますね。(80点)
2017年10月04日
ドリーム
本年度アカデミー賞の作品賞や脚色賞にノミネートされた作品。
1960年代は、黒人差別が色濃く残っていた時代。
天才的な数学者キャサリンは、白人だけの研究所本部のメンバーに抜擢されるのですが・・・
アメリカNASAの宇宙開発を支えた、3人の黒人女性に光をあてたヒューマンドラマです。
コレ、実話だそうですヨ。
今では、コンピューターが正確な計算をしてくれるのは、当り前ですが
劇中の時代では、全て人間がやってました。
これで、有人宇宙飛行を成し遂げたんだから、凄いですよね。
実話が元になってますが、エンタメ性は、バツグン!
黒人差別があっても、夢を追い続けた彼女たちは、遂にドリームを手に入れます。
スカッと感、ハンパなかったです!
ユーモアもあって面白いし、なによりストーリー性が、素晴らしかった!
チラシだけじゃあ、なびかないけど、オススメ作品です。(85点)
余談ですが・・・「クリミナル」以来、久々に見た、ケビン・コスナー、
すっかり昔の雰囲気に戻っていて、まだまだイケる!と思っちゃいました(笑)
2017年10月03日
ユリゴコロ
沼田まほかる原作のミステリー小説の実写映画化。
ユリゴコロとは、人が生きてゆくために、“よりどころ”となるもの。
ストーリーは、人を殺すことが、ユリゴコロとなった女性の告白文から始まります。
主演は、吉高さんになってますが、ストーリーの中心に立っていたのは
松坂桃季さんでした。
彼は、実家の押し入れの中から見つけた一冊のノートの内容に翻弄されてゆきます。
そのノートに書かれた内容を再現する形で、吉高さんと松山さんが登場します。
その2人は、松坂さん演じる亮介の両親になるのですが・・・
少々、猟奇的な内容になってます。
でも、映画の中だからこそ、こんな世界も楽しめるんだなって思う。
そして、どんな形であっても、親子愛って無償のもので、見てて切なくなりました。
愛の形は、いろいろあります。 (78点)
2017年09月30日
ナミヤ雑貨店の奇蹟
東野圭吾のベストセラー小説を、廣木隆一監督が実写映画化。
同じ施設で育った幼馴染3人が忍びこんだ、1軒の廃屋。
そこは、かつて悩み相談を請け負うことで知られていた「ナミヤ雑貨店」だった・・・
舞台挨拶同時中継が行われた回にて、鑑賞。
ロケ地は、大分県豊後高田市でした。
街の感想を聞かれた山田さん、「ずっと、走っていたイメージ」だったそう。
まだ上映前だったので、その意味が分かんなかったのですが・・・
昭和の町の新町通り商店街やら、桂橋の上やら、全力ダッシュされてました。
たしかに、よく走ってた(笑)
ワタシは、役者としての山田涼介さんが、好きです。
「グラスホッパー」の殺し屋の演技は、鳥肌ものでしたから・・・
あと、真玉海岸の夕陽の美しかったこと!
ナミヤ雑貨店の建物は、近くに移築されてるそうなので、見に行けますね。
ストーリーは、32年前と現在が、手紙で繋がるというもの。
でも、それは奇蹟ではなくて、繋がるべくして繋がったことだと思えてきます。
だって、32年前の人に出した3人の手紙によって、現在の3人が、そこに居るんだから・・・
まさに、時代を超えた絆の物語になってました。 (78点)
2017年09月28日
あさひなぐ

人気少女コミックを、「ヒロイン失格」の英勉監督が実写映画化。
乃木坂46のメンバーが、美の武道<なぎなた>に挑戦してます。
元美術部で運動オンチの主人公、旭は、高校入学を機に、なぎなた部に入部するのですが・・・
正直、見るまでは、アイドル映画と思ってました。
でも違ってた!
劇中、なぎなたのシーンが、半分以上あります。
それが、緊張感もあって、真剣勝負なんで、面白いんですヨ。
特に、試合のシーンは、どっぷり見入ってました。
それに、乃木坂メンバーだから、スクリーン映えしちゃう。
やっぱ、美女って、お得(笑)
特に、白石さんは、美しい!もっと女優業、やってほしいですね。(75点)
2017年09月26日
散歩する侵略者
「クリーピー偽りの隣人」の黒沢清監督の最新作。
数日間、行方不明になっていた夫が、まるで別人のようになって帰ってくる。
彼は、妻に、自分は地球を侵略しに来た宇宙人だと告げるのだが・・・
ジャンル的には、SFサスペンスとかになると思うんだけど・・・
こんな感じ、初めてかも・・・
人間に宿った侵略者たちは、人間の<概念>を奪ってゆくんです。
たとえば、家族とは、こういうもんだという(定義)です。
奪われた人たちは、その概念を永遠に失ってしまう。
家族の概念を奪われた人は、どうなってしまうのか?
このストーリー設定が、新鮮でした。
役者さんも豪華でしたし、皆さん、上手かった。
ラストは、意外な形で終わりました。
「愛は地球を救う」・・・武器ではなく、愛なんですね。(78点)
2017年09月24日
ダンケルク
「インセプション」のクリストファー・ノ―ラン監督の最新作。
1940年、第二次大戦中、フランスの港町ダンケルクに追い詰められた英仏兵士40万人。
逃げ場もなく、陸からも空からもドイツ軍の猛攻撃が押し寄せる中、
若い兵士たちを救い出すために、民間船も含めた約700隻が、ダンケルクへと向かう。
本作は、この実話を元に、描かれてます。
お互いドンパチするような、今までの戦争映画とは違ってました。
絶対絶命の中、生き残るための撤退を描いた戦争映画です。
ノ―ラン監督は、CGに頼らないので、エキストラの数も、ハンパないし
船も、戦闘機も、リアルそのものでした。
若い兵士たちも、20歳前後の俳優ばかりを起用してます。
ストーリーは、陸と海と空、それぞれの時間軸で描かれて、くるくると切り替わります。
そして、見終わった後、頭の中で、ひとつにまとまりました。
ワタシは面白かったのですが、淡々とドキュメンタリー調に進んでゆくので
物足りなさを感じる方もいるかと思います。
そして、重要な役柄には、豪華な英国俳優が起用されていました。
元ワン・ダイレクションのハリー・スタイルズは、若い兵士の一人で出てましたが
初演技には見えないくらい上手かったです。
ルックスもスタイルもいいから、またスクリーンで会いたいですね。(80点)
2017年09月22日
三度目の殺人
「そして父になる」の是枝裕和監督の最新作。
裁判で勝つためには、真実は二の次と割り切ってきた弁護士、重盛。
死刑が、ほぼ確実だった容疑者を、なんとか無期懲役にするために調査を始めると
重盛の中で、何かがおかしいと、感じるようになり・・・
初めて、真実を知りたいという思いに、駆られてゆく・・・
面白かったですね。真実が見えなくて・・・
役所さんの演技が、不気味で、いい人なのか?悪い人なのか?分からない。
福山さんは、容疑者に、どんどん翻弄されてゆくのが分かる。
キャストの皆さん全てが、素晴らしかったです。
ラストでは、明確な答えは見せてくれません。
真実は、神のみぞ知ることで、人が人を裁くのは、神の領域じゃないかと思えてきます。(80点)
2017年09月10日
ダイ・ビューティフル
昨年の東京国際映画祭で、観客賞に輝いたフィリピン映画です。
観客賞というのは、映画を見た観客の投票で決まります。
つまり、1番人気だった作品ということです。
そして、美しいトランスジェンダー、トリシャを演じたパオロ・バレステロスは
最優秀男優賞に輝きました。
表彰式の時、「女優賞」かと思ったとジョークを言われてました。
昨年の映画祭に参加したので、見るのは2回目です。
やっぱ、ヨカッタ!ワタシは、好きな映画です。
でも、トランスジェンダーものが、どうしてもダメな方もいると思うので
評価は、人それぞれでよいと思う。
ストーリーは時系列では進まず、あっち行ったり、こっち行ったり・・・
だから、頭の中で、パズルを埋めていく作業が、あるので、戸惑うかもしれません。
トリシャは、念願だったミスコンで優勝し、女王となりますが、急死。
生前、彼女が語っていたのは「葬儀までの七日間、日替わりのセレブメイクをされて旅立ちたい」
友人たちは、彼女の願いを叶えようとします。
トリシャは、同じトランスジェンダーの仲間と暮らし、身寄りのない娘を育てます。
これも、1つの家族の形だと思いました。
彼女が、ミスコンに情熱を注ぐのは、自分が自分でいられるからだと思う。
クスッと笑えるシーンもあるし、素晴らしいセレブメイクが堪能出来ます。
1番は、ジュリア・ロバーツだったかなぁ~
映画祭の表彰式でも、ジュリアで来られていて、ほんと美しかったです。(80点)
2017年09月10日
二度目の夏、二度と会えない夏
赤城大空さん原作の同名小説の実写映画化になります。
主人公の智は、高校3年生。
夏の始めに転校してきた燐から「バンドやろう!」と、強引に誘われる・・・
切ない青春映画です。
そして、半年前にタイムリープして、二度目の夏を過ごすことになるという
ファンタジー要素もあるし、バンド活動をするので、音楽も楽しめました。
文化祭、ほのかな恋、音楽ライブ、やっぱ、高校時代って、いいですね。
主人公を演じているのは、村上虹郎さん。
劇中、彼の表情のアップシーンが、多くて、中西監督は、彼にゾッコンなんだなって
思いました。 (75点)
2017年09月06日
幼な子われらに生まれ
「しあわせのパン」「繕い裁つ人」の三島有紀子監督の最新作。
バツイチ同士の再婚。妻の連れ子は、娘2人。
夫の実の娘は、元妻が引き取り、こちらも再婚してます。
実の娘は、他人をパパと呼び、
自分は、他人の娘から、パパと呼ばれる・・・
設定としては、とても複雑でした。
一生懸命、良きパパを装う主人公を、浅野忠信さんが演じてます。
家族の定義って何だろう?とか、血の繋がりって何だろう?とか
いろいろ考えさせられました。
今の時代、離婚や再婚って、めずらしくもありません。
劇中の設定だって、あり得るでしょう。
大人同士だけだったら、何の問題もないけど、それぞれの子供を巻き込んじゃうと
ややこしくなる。
産むよりも、育てる方が、何倍も大変だから、血の繋がりが1番じゃないと思うけれど
血の繋がりって、理屈じゃないから、そこが厄介なんだなぁ~
この作品の中には、そんなリアルな感情が、丁寧に描かれてました。
ドキュメンタリーっぽくもあります。
そのせいか、見てて息が詰まることもなく、客感的に見れました。
そして、ラストでは、観客を、ホッとさせてくれます。 (78点)
2017年09月05日
関ヶ原
「日本の1番長い日」の原田眞人監督の最新作は、司馬遼太郎の歴史小説の実写映画化になります。
戦乱の世に終止符を打つことになった関ヶ原の戦い。
石田三成の西軍、徳川家康の東軍の戦いは、わずか6時間で決着します。
コレは、凄く面白かったです!
映画を見終わって、時計を見ると「もう、こんな時間?」
計算したら、2時間半の映画だったのに、全く長いと感じませんでした。
登場人物も多いですし、展開も早いのですが、演出に無駄がないので、
分かり易かったです。
岡田准一さんが演じる石田三成が主人公というのも新鮮でした。
だって、三成は、マイナー、人気ないですもん。
でも、忠義を貫いた、不器用な人だったんだと思いました。
家康のようなタヌキには、なれなかった。
いつの世も、要領の良い人が、得をするよねぇ~と切なく思います。
演じる岡田准一さん、上手くって、安定感ハンパなかったです。
劇中では、伊賀の忍びも多く登場したり、女たちの戦いも描かれていて
女子も楽しめるかと思います。
ワタシは、歴史にもっと詳しかったら、もっと楽しめたかも・・・と、悔しく思いました。
さぁ~「純粋すぎた武将」石田三成、とくと、ご覧あれ! (85点)
2017年09月03日
BABY DRIVER ベイビー・ドライバー
名前はベイビー 運転の天才
音楽を聞くことで 事故の後遺症の耳鳴りが消え その才能が覚醒する・・・
音楽と、カーチェイスが連動されてて、面白かったです!
カーチェイス版「ラ・ラ・ランド」というフレコミも、納得です。
そして、事の顛末まで描いてくれていたラストも、後味スッキリ!
ベイビー役のアンセル・エルゴード君、モデル並みのスタイル、顔は可愛い系イケメン。
彼女役は「シンデレラ」に出ていたリリー・ジェームズ。
まさに、美男美女カップルでした。
今までのカーチェイス映画と違って、新鮮でしたね。
やっぱ、カーチェイス版「ラ・ラ・ランド」という表現がピッタリでした。
美男美女に弱いんで・・・(80点)
2017年09月03日
ワンダーウーマン
DCコミックの女性ヒーロー、美女戦士ワンダーウーマン誕生物語です。
本国アメリカでは、バットマンやスパイダーマンよりもヒットしたそうです。
女性だけの島で育ったアマゾン族のプリンセス、ダイアナ。
ある日、島に飛行機が墜落し、アメリカ人パイロット、スティーヴを助けます。
彼から、島の外では、戦争が起きている事を知ったダイアナは、スティーヴと共に
ロンドンに行く事を決意します。
大ヒットはナットク!コレは、確かに面白い!
アメコミヒ―ローばかりで、うんざり!っていう方だって、ワンダーウーマンは
楽しめると思う。
全ては、主演のガル・ガドットの魅力に尽きます。
ミス・イスラエル出身で、イスラエルでは、女性でも2年間の兵役が課せられてるそうです。
美しいし、アクションもキレキレ、その上、チャーミング。
可愛らしいところがあるから、フツーの鉄の女キャラじゃないの。
女性でも、憧れちゃうし、ホレちゃう!
次は、11月23日公開の「ジャスティス・リーグ」に参戦するようです。(78点)
2017年08月27日
打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?
岩井俊二原作の、青春ドラマを元に作った、アニメーション映画。
ドラマと違うのは、不思議な球の力によって、ある1日が何度も繰り返されること。
もしも、あの時、こうしていれば・・・・・
主人公、典道が好意を寄せる、なずなとの「たられば」が繰り返されます。
映像の美しさは、ピカイチ!
リアルな部分と、ファンタジーな部分とが、溶け合ってました。
ただ、ストーリーは思っていた感じとは違ってた。
多分、それは、ワタシが女子だからだと思う。
男子だったら、中学生の頃の気持ちとリンクするだろうから・・・
担任の先生の胸が、揺れていたとか、
女子のスカートが、風にヒラヒラ揺れて、見えそうで見えないとか、
くだらない話題で、男子同士で、盛り上がるとか、
同級生の女子が、大人っぽくて、ドキマギするとか・・・
そんな懐かしさが、この作品の中にはあると思う。
だから、女子には、この作品の良さがわからないかもです。
そして、もう1つ、ラストですヨ!
典道は?違う次元に行ったまま?ずっとループしてるの?
ワタシには、今だにわかんないままです。 (75点)
2017年08月27日
VIVA!公務員
本国イタリアで、大ヒットを収めた作品。
主人公ケッコは、幼い頃から公務員になるのが夢。
お気楽公務員になって15年、イタリアの財政難によって、公務員削減の対象に・・・
主人公ケッコの「何が何でも、公務員を辞めない!」
この不屈の信念と根性に、笑っちゃいました!
人員整理担当部長の悔しがりぶりを見てると、ケッコ頑張れ!になります。
この二人の仁義なき戦いは、面白かった!
それにしても、イタリアの公務員は恵まれてるんですね。
ワタシの想像以上でした。
これじゃあ、財政破綻しちゃうよね。
ラストでは、み~んな上手い具合に、ハッピーエンド!あっぱれ!(78点)
2017年08月24日
ボンジュール、アン
フランシス・コッポラ監督の妻である、エレノア・コッポラが、自分自身のエピソードを
投影させた作品。
エレノア監督は、80歳にして初の長編劇映画となります。
有名な映画プロデューサーを夫に持つアンは、子供たちも手を離れ、
これから先の人生を考えていました。
そんな中、夫の仕事仲間のフランス人男性と、カンヌからパリまで車で向かうことになる・・・
主人公アンを演じる、ダイアン・レインの美しさに魅了されました!
ホントに綺麗なの!
こんな風に歳をとれたらなぁ~と思いました。
女性にとっては、人生のバイブルかも、将来、こうなりたいと願う理想像だったから。
良き妻、良き母でもあるし、女性としてのトキメキも楽しんでいるアン。
ラストでは、今後の展開を観客に委ねる形で終わってましたが、それすらも、余韻を感じました。
いつもだったら、不完全燃焼で、イラついたりするんだけどね。
「さあぁ~これからどうしよっかなぁ~」みたいな・・・大人の余裕になってた。
カンヌからパリまでの美しい景色や観光名所も数多く登場しますので、
ロードムービーとしても楽しめます。 (78点)
2017年08月10日
ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない第一章
「テラフォーマーズ」でズッコケた三池崇史監督の最新作。
正直、見るまでは、大丈夫かぁ?と思っていたし、ネット評もイマイチみたいだけど
フツーに面白かったです!悪くないですヨ!
ジョジョの世界観を出すために、スペインロケされているし、俳優さんたちも頑張ってた。
なにより原作に対するリスペクトが感じられます。
元々が、実写化が難しいジョジョなんだもん。
ジョジョ愛がハンパないファンの攻撃にもめげず、よくやったと思う。
そして、ジョジョを知らない人が見たとしても、フツーに楽しめる作品。
主演の山﨑賢人さん、頑張ってました。
山田さんは、アンジェロでも、何でも、悪役ならOKでっしょ(笑)
あと、ヨカッタのが、岡田さんと新田さんが演じる虹村兄弟。
でも、テロップ見るまでは、新田真剣佑さんだと分からなくって。
だって「ちはやふる」や「ピーチガール」のイケメンでしょ?
トップコートに移籍してから、出演作が変わってきましたね。
まとめとしては、思ってた以上に、ヨカッタです!
多分、一般女子は楽しめると思います。 (78点)
2017年08月09日
しあわせな人生の選択
スペイン・アカデミー賞で、作品賞他5部門を受賞した作品。
スペインの舞台俳優フリアンは、ガンに冒され、残り少ない日々で、身辺整理を始めてます。
そこに、古い友人のトマスが、カナダから4日間の休みを取って会いに来ます。
トマスは、フリアンの身辺整理に付き合いますが、1番の難題は、愛犬トルーマンのこと。
老犬なので、里親が、なかなか見つからないのです・・・
邦題は、イマイチですが、原題は、犬の名前の「トルーマン」です。
なぜ、このタイトルなのか?
それは、ラストで、分かりました。
フリアンにとって、トルーマンは自分の分身だったんじゃないかな?
ストーリーは、死が近い主人公が、親友に、とことん甘え、わがままを押し通した4日間のお話です。
肉親でも、ここまで出来ないんじゃないかって思う。
ここまで、やってもらえたフリアンは、幸せもんです。
そして、ワタシが印象的だったのは、カフェのシーンでした。
皆、フリアンは、もう助からないと知ってます。
そこで、仲が良かった人には無視され、嫌なヤツには、心優しい言葉をかけられる・・・
人間の本当の価値なんて、わかんないものです。
健康で、景気のいい時には、なかなか見えてこない。
自分が弱っている時に、初めて見えてくるものが、あったりします。
映画には、意外なことに、R15が付いてますが、これはベットシーンのせいでしょう。(78点)
2017年08月07日
20センチュリー・ウーマン
「人生はビギナーズ」のマイク・ミルズ監督、6年ぶりの新作になります。
前作では、自らの父親をモデルにした作品でしたが、今作では、母親をモデルに
1979年の忘れられない夏の出来事が描かれます。
思春期を迎えた15歳の息子と、どう接していいか分からなくなった母親は
息子と歳の近い女性2人に力を借りようとします・・・
マイク・ミルズ監督は、グラフィックデザイナーとしても有名なので、
映画自体が、アートっぽくて、オシャレなの。
劇中のファッションも、1979年ということで、昭和ちっくで可愛かった。
特に、母親のドロシアが着ていたブラウスが欲しいー(笑)
そして、可愛い猫ちゃん、白黒の八割れ。メロメロになるくらい可愛い!
前作で登場してたのは、パルムドック候補にもなったワンちゃんでしたもんね。
女優さんも美しくて、エル・ファニング、やっぱいいわぁ~
映画は、「母と息子の関係性」を描いていたので、女子よりも男子の方が
共感出来る部分は多いんじゃないかと思いました。
ワタシ的には、ケータイもパソコンもない時代の、ゆる~い空気感が、心地良かったです。(78点)