2007年12月30日

パンズ・ラビリンス

カンヌで、大絶賛され、アカデミー賞でも、外国映画としては、異例の6部門にノミネートされた
作品です。
プロデューサーは、アルファンソ・キュアロン監督でした。
監督と脚本は、ギレルモ・デル・トロ、メキシコ出身の方です。

残虐なファシストとレジスタンスとの内戦が続くスペインの暗黒時代が舞台。
1人の少女が、辛い現実と空想迷宮(ラビリンス)を、さまよう大人のおとぎ話です。

おとぎ話・・・ファンタジー・・・そうには違いないけど・・・
こんなに辛く、残酷なファンタジーは、初めてでした。
そして、主人公オフェリアが、母を慕い、愛を求める気持ちだけが
黄金色に輝いていたように感じます。

現実世界で起こる残虐な行為の数々には、まともに見れないシーンとかもありました。
拷問するシーンで、ペンチやらノコギリやらが映っただけで逃げ出したくなっちゃいました。

現実の大人の世界も、ドラマ性があり、こちらだけでも成立しそうなくらい、しっかりしたもの
でした。
だからこそ、無垢な魂を持った少女が迷宮世界に逃げていった事に、違和感を感じなかった。
少女は、そうするしか生きる希望がなかったと思えます。

現実世界と対になっているものが、少女が見た空想世界であり、少女はそうやってバランスをとるしか、生きる術がなかったと・・・

ラストは、少女の妄想なのか?
観客の希望を叶えてくれたのか?
わからなかったけど、少しだけ救われました。
でも、でも、それでも悲しくて、やり切れない気持ちからは、逃れられなかった。

とても完成度の高い作品だと思います。
こんなファンタジーを作れるなんて凄い!
でも、人に勧めるには遠慮してしまう。
だって、見た人は、みんな辛くなると思うから・・・
辛くて辛くて、悲しいファンタジーです。

ワタシも、もう1度見るには、エネルギーが必要です。
見た後は、生気を吸い取られたように、まっすぐ家に帰ってしまいました。
多分、忘れられない作品の1つとして記憶に残るだろうと思う。
ワタシが魅力されてしまった事には、間違いないです。


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この記事へのコメント
ファンタジーにしてはえげつないシーンも多く、しかし逆にそれが新鮮だったしダークファンタジーとでもいうのでしょうか?とても印象深い作品だったと思います。

ラストは一応納得しました。

またこんな作品が現れないかな?

今、今年観た洋画と邦画のベスト10選定中ですが今年は洋画がかなり競っていて難しすぎます。サラさんはどうですか?
Posted by マサヨシ。 at 2007年12月30日 11:26
マサヨシ。さんへ>>>

洋画と邦画のベスト10選定中なのですか?
沢山、映画を見られてるのですね~

ワタシは、まだ考えてもない状態です。
年が明けて10日くらいまでには決めようと思ってます。
その前に、あと1本見た映画の記事をアップさせる予定です。
ベスト10もアップする予定ですので、コメント欄でマサヨシ。さんのベスト10も教えてもらえますか?
楽しみにしてますので^^
Posted by サラ at 2007年12月30日 23:34
来年もサラさんの記事で、いろんな映画を観た・・・つもり・・・になりたいと思います。楽しみにしてますよ!
良いお年を!
Posted by タロー at 2007年12月31日 13:09
タローさんへ>>>

来年も、質の高いレビューをめざして頑張りますので、どうぞヨロシクです!
Posted by サラサラ at 2007年12月31日 23:51
サラさん>
あけましておめでとうございます。

某コミュの日記に書いたベスト10載せときます。
(もしかしてサラさんも入ってますかね?)




今年も200本近くの作品を劇場で鑑賞してきました。で、恒例のベスト10を考えてみました。



洋画

1世界最速のインディアン
年齢を気にしないチャレンジ精神。
次々と訪れる窮地に色々な人との出会いに支え。
いつまでも男は少年の気持ちを抱きながら夢を追い続けなきゃならないなと思いました。


2題名のない子守唄
過去からのトラウマと思い込みが招いた悲劇の中でも信じ続ければ愛情を注ぎ続ければいつか報われる。ラストシーンは涙でした。


3街のあかり
夜の様に作品全体が暗く、絶望感で続いたせいかラストに見える一筋の光。タイトル通りの作品だったと思います。


以下
4ブラックブック
5善き人のためのソナタ
6ホリデイ
7ハリーポッターと不死鳥の騎士団
8リトル・ミス・サンシャイン
9パンズ・ラビリンス
10スターダスト





邦画

1夕凪の街 桜の国
原爆のシーンは絵だけなのですがそれがかえって人物を際立たせ情が入ってしまいます。同じ場所だけど全く違う夕凪の街と桜の国。二つが繋がった時にまた感動を覚えました。


2ALWAYS 続・三丁目の夕日
前作からの大ファンですが今回も泣かせるツボが多過ぎて三丁目に行きたい気分になってしまいました。新キャラも余分なキャラはいなかったしいっぱい詰まった作品です。


3天然コケッコー
キュンとなります。ピュアになります。素朴で純粋で着飾らない主人公そよを誰もが応援したくなるはず。くるりの歌も最高にピッタリです。


以下
4きみにしか聞こえない
5サイドカーに犬
6檸檬のころ
7魍魎の匣
8サッド・ヴァケイション
9クワイエットルームにようこそ
10眉山-びざん-



洋画、邦画とも単館系作品が例年に比べて多かった様に思えます。

嫌いではないのですがアクション映画が全く入ってないのはまた特徴的なのかなと省みたり。

昨年は邦画に秀作が多かったけど今年は洋画の巻き返しで選ぶのに難航しました。


来年もステキな作品をたくさん観ようと今から楽しみです。





どうでしょうか?
被ってるの結構ありますかね?


今年は大分では週末から公開のLittle DJにショートパス、犯人に告ぐで観はじめになりそうです。
Posted by マサヨシ。 at 2008年01月01日 23:06
マサヨシ。さんへ>>>

こんばんは!
まんべんなく見られてますね~
選ばれたベスト10の中で、洋画では3本、邦画では2本見てませんでした。
これから、一覧表を作って、のんびり選んでいきますね。
かぶっている作品もあると思います。
Posted by サラ at 2008年01月03日 23:34
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