2006年12月28日
敬愛なるベートーヴェン

ぜひ、大きなスクリーンと音響の中で見てほしい作品です。
中盤あたりの12分にわたる第九の初演シーンは鳥肌が立ちました。ホントすばらしかったです。
物語はベートーヴェンがほとんど耳が聞こえなくなった晩年の頃のお話でした。
ベートーヴェンには生涯3人コピスト(楽譜を清書する職業)がいたそうですが、3人目は記録には残ってないそうです。
その3人目が女性という設定は時代的に考えるとありえないと思いますが・・・あえて女性という設定にしたのは、この映画が女性監督によるものだからでしょう。
あの有名な第九の初演を4日後に控えた時、コピストとして現われたアンナとベートーヴェンとの精神的な師弟愛が主軸でした。
ダイアン・クルーガー扮するアンナの目を通したベートーヴェンを描いていたので、主人公はダイアンだったと思います。
あの時代、男性の家で二人っきりで仕事をするなんて罪深き事、許されない事だったみたいです。
でもアンナは女性だけど音楽家を目指してましたし、心から敬愛しているベートーヴェンから得られるものは自分の糧になると信じ、凛としてました。
まあ女性の自立や、女性の芯の強さ、潔さを描いていると言われたら、それもナットクですね。
ベートーヴェン役はエド・ハリス。この方のファンは多いですね。
ワタシは、つい最近「トゥモローワールド」に出てたエドを見てるんで、同じ人には見えなくて驚いてます。演技上手いですね。
写真のごとく有名な肖像画のベートーヴェンにそっくりです。
実在の人物を演じる時にはイメージを似せるって大事ですよね。
映画の中では、屁理屈で変わり者で下品、でも音楽への情熱はスゴイ!そんな孤高の音楽家ベートーヴェンを見事に演じてました。やっぱ演技上手い!
面白いなあと思ったのはアンナにだけは弱さや迷いを見せたり、意見を求めたりしてた事です。やっぱ女性には母性を求めるんですね。そんな細かな感情の起伏の描写は女性監督ならではと思いました。
そして師弟愛でしたが、第九の演奏シーンではお互い陶酔して一つになったようなエロチズムも感じました。
この感覚もやっぱ女性ならではだろうなぁ〜
ダイアン・クルーガーは時代ものがいいですね。
「トロイ」で彼女を見て、美しい人だなあと好印象を持ったのですが、次の「ナショナル・トレジャー」でキンキンうるさくて嫌いになったんです。(ニコラス・ケイジとの現代物)
可愛いげもなかったし、今回の映画も「ダイアンかぁ〜どうしよう〜」と積極的に見た方ではなかったんですけどヨカッタですね。
特に彼女の目線の演技がいい!
時代物になるとダイアンは芯のある凛とした女性になっちゃう。抑えたセリフ位が、ちょうどよかったと思います。
それに彼女ってグラマラスですね。ついつい胸元に目がいってしまいました。(男性の方々、必見ですヨ)
でも次の映画が現代物でキャリアウーマンなんて演じたら、ワタシはパスしときます(笑)せっかくイメージアップしてる状態なんで・・・
ワタシ的には、満足した映画でした。
多分、映画をたくさん見られている方々には満足度は高いと思います。
今の季節にピッタリな第九をフルバージョンで聞くだけでも価値のある作品です。
Posted by サラ at 00:10│Comments(0)
│2006年公開映画
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